【限定品】セント・エデン 2021

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“セント・エデン/ St. Eden”

「エデン」は19世紀の古地図に登場する歴史的な地名で、セント・エデンと命名。
初ヴィンテージは2001年。セント・エデンはいつも味わいの中心に、 クレーム・ド・カシスのようなふくよかな核が存在し、ダーク・チョコレートの香ばしさと、鉄分主体のミネラル感、きめ細かいタンニン、生き生きとした果実の凝縮感がある。

ヴィンテージ情報

2021年の乾燥した気候条件は、2020年と多くの点で酷似していた。そのためブドウ樹は早い段階で、自らの力を熟度と均整に向けて集中させた。しかし、その似たような状況がもたらした結果は、非常に異なるものであった。前のヴィンテージでは、静かで自信に満ちたレジリエンス（回復力）が見られ、それがまるで結晶のように透明感と優雅さを備えたワインを生んだ。対して2021年には、その精神がエネルギーの奔出となって花開き、構造、複雑さ、奥行きを備えた、より大胆で独立したワインが誕生した。

オークヴィル東部、北向きの小高い丘に位置するこの区画では、他のクリュよりも長い期間をかけて収穫が行われた。鉄分を多く含む火山性土壌が、引き締まった印象と、驚くほど緻密に構成された味わいをもたらしている。

テイスティング・コメント

豊かな果実味と旨味を感じさせる複雑な風味が交差し、微かに鉄っぽさをを伴う黒カシスの核を甘やかなハーブのニュアンスが包み込む。誘いかけるような香りのあとには、活力に満ちた味わいが口中に広がり、密に織り込まれたタンニンがその深みを感覚の限界まで押し広げていく。やがてワインは力強さを内へとたぐり寄せ、静かにまとまりを見せはじめると、引き締まった酸と共に長い余韻を形づくり、調和のとれた全体像を描き出す。

ジェームス・サックリンのコメント

グラファイトやブルーベリー、オレンジの花の香りが力強く広がる。まろやかなタンニンと果実味に富んだ余韻が印象的。凝縮感がありながらも引き締まったスタイルで、素晴らしく長い余韻へと導かれる。堂々とした構成で、タンニンが柱となり骨格の芯を貫いているかのようだ。若いうちからすでに素晴らしいワイン。2030年以降に飲み頃を迎えるだろう。

99P JamesSuckling.com, January 2024

畑情報

セント・エデンの畑は4.45ヘクタール、標高4～57m、ヴァレー・フロアにあり、なだらかな北向き斜面。

鉄分が多く含まれる破砕火山岩の多い赤い土壌はヴォカ山脈からの太古の地すべりによって形成された。

オークヴィル・クロスロードとシルバラード・トレイルが交わる北に位置する岩だらけの円丘にある美しい畑。