シンセシス=統合。ナパ・ヴァレーの多様性が調和し、ヴィンテージの個性を感じる
Synthesisシンセシス
カリフォルニアワインの歴史に名を残すワインメーカー、マーティン・レイの名前と哲学を受け継ぐマーティン・レイ・ヴィンヤーズから、1997年にフラッグシップ・ブランドとして誕生した。 マーティン・レイが大切にしてきた畑の個性への敬意を背景に、シンセシスは複数の要素を統合することで、ヴィンテージそのものを表現することを目標としている。 ナパ・ヴァレーの山間部とヴァレー・フロアの果実を組み合わせ、異なるスタイルが調和することで複雑さが生まれ、畑の個性とその年ならではの表情を立体的に描き出す。
シンセシス
1997年、ヴィンテージへの愛情を象徴するフラッグシップ・ワインを造ることを目標として誕生した。
シンセシス=統合という意味を持ち、対照的な要素の統合によって完成するワインである。
縦に約50キロ、幅は最も広い場所でも8キロほどの広さでありながら、ナパ・ヴァレーは、その比類なき多様な微気候と地形、土壌により、世界有数のワイン産地となっている。各アペラシオンから生まれる様々な個性を活かし、シルキーで土っぽく、より親しみやすいヴァレーフロアの果実味と、山間部に由来するしっかりとしたタンニンと立体感ある味わいをブレンドする。スタッグス・リープ、ラザフォード、ハウエル・マウンテンなど、それぞれの畑から生まれる個性が調和することで、ヴィンテージが表現される。
ブドウの品質を見極め、畑への理解を深め、最良の樽のみを厳選し、各ヴィンテージを映し出している。
マーティン・レイ/ Martin Ray
1945年、マーティン・レイ・エステート(現マウント・エデン・ヴィンヤーズ)を創業。サンタ・クルーズ・マウンテンズの山頂にある畑を購入し、やがて当時としては世界でも最先端といえるワイン醸造施設を築き上げた。
彼はブルゴーニュやボルドーの偉大な生産者たちの哲学を厳格に踏襲し、プレミアムワインを造ろうとした。しかし、禁酒法や大恐慌の影響が色濃く残っていた当時、多くのワインメーカーはリソースに乏しく、甘くて薄っぺらい安ワイン以上のものを造る余裕がなかった。消費者たちもまた、より良いワインを求める余裕を持っていなかったのである。
一本気で頑固な人物だったと評されるマーティンは、それでも30年以上にわたり信念を貫き、1972年まで造り続けた。しかし、カリフォルニアで品質重視のワイン造りがようやく動き始めたその年、彼のワイナリーは静かに姿を消す。ワイナリーの一部は買収され、後にマウント・エデン・ヴィンヤーズの一部となった。マーティンはパリスの審判でカリフォルニアワインが世界を席巻した1976年に亡くなった。
そして歴史は、マーティン・レイという人物の記憶を、ほとんど消し去ってしまった。
マーティン・レイ
コートニー・ベンハム/ Courtney Benham
オーナーのコートニー・ベンハム
1990年、ブラックストーンを創業したコートニー・ベンハムは、倉庫を探していた。そしてサンノゼの倉庫で、1,500ケースものマーティン・レイのライブラリー・ワインを偶然発見する。そこには1940年代まで遡るワインだけでなく、当時の新聞記事や歴史的資料も含まれており、「早く生まれすぎた革新者」マーティン・レイの姿を鮮やかに浮かび上がらせていた。
コートニーが購入したのは、ワインのコレクションだけではなかった。マーティン・レイへの敬意を払い、ワイナリーをかつての栄光へと戻すという約束のもと、レイの相続人たちを説得し、「Martin Ray Vineyards and Winery」のラベル使用権を取得したのである。
「このワイナリーの歴史は本当に魅力的だと思いました。ジェネリック・ワインが当たり前だった時代に、マーティン・レイが100%単一品種ワインを導入したこと。カリフォルニアのワインが偉大なフランスワインに肩を並べ、やがては一級畑と同じように求められる存在になり得ると信じていたこと。その発想が強く心を打ったのです。」と、コートニーは語る。
※ジェネリックワイン:20世紀中頃、特に禁酒法後のアメリカで一般的だった、大衆向けの複数の畑、複数の地域、複数品種のブレンド・ワイン。
カリフォルニア出身のコートニーは、自身のブランドであるブラックストーンを成功させ2001年に売却。2003年、彼はソノマ・カウンティの中心部に位置するマルティーニ&プラーティ・ワイナリーを取得。ここが現在のマーティン・レイの本拠地となっている。マーティン・レイの名にふさわしい職人的なワイン造りに取り組み、ソノマ・カウンティにおける土地の管理と持続可能な農業、そして歴史的遺産の継承へ尽力し評価されてきた。
現在も、コートニーとワインメーカー・チームは、「土地を語るワイン(Wines of
Place)」というマーティン・レイの思想を軸に、それぞれのアペラシオンと畑の個性を丁寧に表現している。
ワインメイキングチーム
レスリー・ルノー/ Leslie Renaud (ディレクター ワインメーカー)
元スキューバダイビングのインストラクター、森林局職員、都市林業の専門家という異色の経歴を持つ。
ヴァージニア州に生まれ、10歳からはホノルルで育つ。高校卒業後はダイビング・インストラクターを経て、本土に戻り大学進学を決意。ミシガン大学で自然資源学の学士号を取得後、オレゴン州で森林局に勤め、マダラフクロウの調査に携わった。
その後、科学と芸術が融合するワイン産業に自身の関心が重なることに気づき、キャリアを大きく転換。ソノマ、ナパ・ヴァレー、サンタ・クルーズ・マウンテンズなど、北カリフォルニア各地のワイナリーで経験を積んだ。
現在は、テロワールを重視し、生命力とバランスを備えたワインを追求している。
レイミー・パターソン/ Raemy Paterson (ワインメーカー)
生粋の冒険家であり、自他ともに認めるピクニック愛好家。グローバルなワイン造りの視点をマーティン・レイ・ヴィンヤーズにもたらしている。
UCデイヴィス校で栽培・醸造学の学士号を取得後、ボルドー、プロヴァンス、バロッサ・ヴァレーで収穫を経験。客室乗務員とワイン愛好家である両親の影響で、幼少期からワインに親しみ、イタリアのワイナリーを巡る経験もした。
帰国後は、マム・ナパ、リッジ・ヴィンヤーズ、ジョーダン・ヴィンヤーズで収穫に携わる。
現在はロシアン・リヴァー・ヴァレーを拠点に、できる限り人為的介入を抑え、畑の個性がそのまま表現されるワイン造りを楽しんでいる。
左:レイミー・パターソン/右:レスリー・ルノー
サステナビリティへの取り組み
社会的・環境的責任の重要性が高まる中、マーティン・レイ・ヴィンヤーズはサステナブルなワイナリー運営に積極的に取り組んでいる。 資源の保全、再生可能エネルギーの活用、リサイクルの推進を、地域や他のワイナリーと連携して行う。
ソノマでは、ソノマ・カウンティ・ワイングロワーズ協会によって、すべてのワイナリーと畑が5年以内にサステナブルな運営を行うという目標が掲げられている。 マーティン・レイ・ヴィンヤーズはこの取り組みに参加し、初回の第三者機関によるサステナビリティ監査をすでにクリア。
環境への影響を最小限に抑えるという取り組みに真摯に向き合い、ソノマ・カウンティ全体を100%サスティナブルなワイン産地とするという共通の目標に向け、今後も前進を続けていく。
- 太陽光発電により、ワイナリー使用電力の80%以上をまかなう。
- セラー照明は人感センサー付きで、未使用エリアでは自動消灯。順次LED化を進めている。
- 省電力型の破砕・冷却設備を導入している。
- 排水処理池を改修し、ろ過による処理能力を向上。処理水の多くを景観用灌漑として再利用する。
- 発酵・貯蔵タンクを断熱し、エネルギー消費を抑えながら温度管理を行う。
- 窒素ガスを敷地内で生成し、外部からのガス輸送を減らしている。
- 果梗・種子・果皮などの搾りかすはすべて堆肥として再利用。
Synthesis が生産しているワイン
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カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2022
5,600円(税別)